自己実現をすることを、ありのままで生きること、とか、生きたいように生きること、と思っている方がたまにいます。
ですが、これは勘違い、いわゆる単なる自己満足にすぎません。

ありのままで生きたところで、生きたいように生きたところで、一時的な自己満足に浸れても、自己実現はできません。

なぜなら、私たちの自己実現というのは、その前提に人間関係が含まれているからです。

例えば、山にこもって陶芸をしている人が、誰にも褒めてもらえず、人とのつながりもなく、お金も満足にもらえていないときに、
「私は社会から完全に隔離されている。でも、これが私にとっては自己実現だ!」
自己実現の欲求を感じることはないでしょうし、心からの充実感も覚えないでしょう。

実は、自己実現をするためには、人からの感謝や尊敬、愛(承認欲求)が必要なのです。
そして、多くの場合、人からの感謝や尊敬、愛の対価としてのお金(報酬)も必要なのです。

本稿の冒頭画像にあるピラミッドが示す「マズロー欲求5段階説」とは、心理学者アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に分けて理論化したものです。

人間には5段階の「欲求」があり、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を表しています。

つまり、自己実現欲求とは人間の欲求の最高位の欲求ですが、その下の承認欲求、言いかえると、社会や人からの感謝や愛、興味などの欲求を満たしておく必要が説かれています。

あなたが、ありのままで生きたとして、生きたいように生きたとして、あなたは、いつも必ず、周りの人から感謝され、尊敬され、愛されていますか?

あなたは、いつも必ず、周りの人からお金を貰えていますか?
残念ながら、この質問に対してYesの人はいないでしょう。

私だって、自分が書きたいことよりも、読者が知りたがっていることを中心に、本記事を書いています。

私たちが精神的に大人になるということは、他人との人間関係の中で、自分にとって心地が良い関係性を見つける、ということなのです。

そのためには、ありのままの自分を出して、それが受け入れてもらえない、という小さな挫折が必要になります。
この挫折を繰り返しながら、社会との関係性を見つけていくプロセスが自己実現なのです。