本記事では、経営やプロジェクトのマネジメント(管理)における失敗の傾向を1つ紹介します。
これから紹介する話は、自営業を単独で始める方も、いずれ事業を拡張して人をマネジメントする際に、頭に入れておくと良い話なのでご一読ください。

複数の会社で勤めてきた私の業務経験で、僭越ながら申し上げると
「この人は仕事ができないなあ」
という経営者ほど、とりあえず、すぐに社員数を増やして売上を作りに行こうとする傾向があります。

そして、人員を追加採用しながら、事業はかえってドツボにはまって結局、人員の整理縮小をする羽目になり、採用前のメンバーだけが残るというケースは多く見られます。

人を増やすタイミングは決まって、売上のジリ貧状態が長きに続いていて、かつ事業戦略や商品戦略における展望を経営者が見通せない時だったりします。

「売上が増えないなあ。もう少し人数を増やせば、売上が増えるかもしれない。」
まさに他力本願で焦って考える心理状態にあり、悪く言えば、ギャンブラー的な投資に走っていると言えます。

この場合、売上が上がらないのはビジネスモデルのあり方や、業種の選び方の問題であって、人数を増やしても改善しません。

また、私はシステム開発のプロジェクトで、その一員としてシステムエンジニアの仕事もしていました。
会社の経営に限らず、プロジェクト管理でも同様で、
「今、プロジェクトが順調にいかないから、人数を増やして対応するしかない!」
と(順調にいかない根本原因を精査せずに)人員調達するのは、素人のプロジェクトマネージャー(プロジェクトを管理する最高責任者)がよくやってしまう手法です。

上記に述べた話は、実は学問的には、よく例に取り上げられるブルックスの法則です。
「プロジェクトが遅れているところに、人を入れると、さらに遅れる」
というものですね。

ご参考:ブルックスの法則(Wikipediaのリンク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

人を入れると、さらに遅れる理由として、少なくとも以下が考えられます。

  • 新たに投入された人員が生産性向上に貢献できるまでに、時間がかかる。
  • 人員の投入は、組織(チーム)内のコミュニケーションコスト(意思疎通が十分に取れるようになるまでの時間的コストや経済的コスト)を増える。

    もしも、投入した人員がトラブルメーカーであれば、上記2点のコストは、より膨らんで進捗の見通しが立たなくなることもあるでしょう。
    プロジェクトマネージャーは大変なストレスを抱え込むのは想像に難くありません。

    会社という組織も、1つの大きなプロジェクトと同じように考える必要もあり、社員数を増やしただけで売上が上がるわけがない、ということです。